どーもこんにちは、ヘビの人です。
恐らくこれで何人かには通じます(笑) なぜか知りたい方はこちら
前回は主に農薬についてお話ししましたが、今回は里山減少の社会的背景についてお話ししようと思います!
生物多様性問題の一つには里山の減少という問題があります。この問題はどうして起こってしまったのでしょう…?その原因を追ってみると想像以上に複雑なものだったのです…!😲
里山とは?
里山とは自然に人間が手を加えることでできた環境のことです!
といってもビル街とかそういうことではないですよ!
元あった自然に人間が程よく \(・ω・)ココ大事! 手を加えることで、山や川だけでなく、畑、草地、水田、湿地、ため池など様々な環境が形成されます。このいろいろな環境が里山なんです!✨
人と自然がうまく共存できており、持続可能な生活の模範となっている場所でもあります😊
そして、いろいろな環境がある!ということは、山の生物も田んぼの生物も川の生物も…とにかくいろいろな生きものが生息できる!ということなんです!♪
そんなわけで、里山は多くの絶滅危惧種の生息地となっていて、生物多様性のホットスポットとしても知られているんです!✨もう天国ですね…!!👼
里山の減少
多くの生物が生息する生物多様性ホットスポットの里山ですが、昔はたくさんあったのにもかかわらず、今では減少の一途をたどっています…😭
その理由には【埋め立てや護岸、森林伐採などの都市開発によって資源の循環ができなくなり、里山のシステムが成り立たなくなってしまった】というのが一つと、もう一つに【里山の維持管理ができなくなった】ということがあげられます。
今日は後者の”管理”に焦点を当てていこうと思います!
里山の維持には農地の維持、畔・水路の整備、除草、森林の間伐など様々な管理が必要です。そうしないと、資源の循環ができなくなり、どんどん衰退していってしまいます。
それでは、その具体的な管理はどんなものなのか、見ていきましょう!
農地の維持では、当たり前のことですが、農作物を育てる必要があります。でも農作物を育てるには畑を耕したり、除草をしたり、ハウスの組み立て・解体をしたり、支柱を立てたり、シートや藁を敷いたりいろいろな作業があります。
その作業は私たちが想像するよりもずっと大変な作業で、若者の私でも結構疲れてしまいます💦そんな作業を日常的にやっている農家さんはやっぱりすごいですね!✨
さらに、農作業だけにとどまらず、畔や水路の維持管理も作物を育てるためにはしなくてはなりません!雨で畔が削れて狭くなったり、水路に土砂がたまってしまったりするので、定期的に畔を補強したり、水路の土砂をあげたりします。
こちらもかなり大変で、若者十人近くでやったのにもかかわらず、数十メートルの水路でもあわせて半日から丸一日ほどかかりました💧
私が一人「カマキリからハリガネムシ出てきた~!!✨」とか「ヘビトンボだ~!!✨」とか言いながらやってたことは内緒です(^^;)
最近では土砂が流れてこないように水路をコンクリートで固めることも多いですが、そうしてしまうと水辺の土の中に潜む生物たちは生息できなくなってしまいます…😭
ヘビトンボさんと会えなくなってしまうのはさみしいです…(´・ω・`)
また、里山維持のために必要な森林管理では、地面にも光が届くように、木を伐採し、山の中から木を運び出さなければなりません。伐採して山道を歩きながら運び出すのも大変なのに、運び出した木を薪として利用するために木を小さく切っていきます。
この薪割りも大変な作業で、私も薪割りを体験したのですが、私の力ではまったく割れませんでした!💦そんな私を横目に地元のおじいちゃんは軽々と割っていました!😲すごすぎる…!!
今では薪を割る機械もありますが、それでも重い木材を運ぶのは大変な作業です。それなのに地元の方は農地や森林、その周辺の管理をすべてやらなくてはなりません。里山を維持していくためにはたくさんの人が必要ですが、里山をイメージしてもらえればわかるように、その人手は決して多くなく、むしろ全く足りていないのが現状です😢
さらに、誰の土地かわからず、土地の活用や管理がしたくても許可が取れずにどうすることもできないこともあるんです!たいてい、土地は親から子へ引き継がれるのですが、土地の引き継ぎを行う前にその土地の持ち主である方が亡くなられてしまったとき、引き継がれた方は自分の持ってる土地がわからず、そのまま放置してしまうということがしばしばあるようです😲
こうした人手不足などの問題により、管理が行き届かず、里山はどんどん減少していってしまいました😭
里山と社会問題
ではどうして昔はできていた里山の維持管理が現在では人手が足りなくなってしまったのでしょうか??
その原因は高齢化と過疎化にありました😲
あなたも日本で高齢化や過疎化が進んでいるのはご存じかと思います!
特に農村地帯では人もまちまちで、あまり若い人のイメージありませんよね🌾
今はそんな状態の農村ですが、昔は若い人もたくさんいました!だから、里山の管理もできていたんです!
ですが、過疎化によって若者を中心に多くの人が都心へと流れ、人口が減り、その結果、里山には高齢者が残され、高齢化してしまったのです。
ただでさえも人口が少ないのに、体力のある若者がおらず、高齢者だけであの大変な里山の維持管理を続けなければならなくなったのです💦過酷すぎる…!😱
さらに先ほどお話しした、土地の持ち主がわからないというのも、過疎化と高齢化が関係しています!どういうことかというと、土地を引き継ぐ方が都心にいる(過疎化)ことで、引継ぎが行わないまま、高齢になった地主さんが亡くなってしまう(高齢化)ということが起こっているのです!
こんなふうに高齢化や過疎化が里山維持の管理不足を招いてしまっていたんですね!
生物多様性問題と社会問題。一見関係のなさそうなこの二つの問題が意外にも繋がっていたのです!
そしてここで新たな疑問が生まれます(?_?)
なぜ日本では高齢化や過疎化という問題が起こってしまったのでしょう??
実はその背景には高度経済成長期が関係していました!
ここでちょっと裏話🍵
この記事は秋田の農家さんに実習に行ったときに、秋田のお父さんお母さんに聞いたお話をもとに書いています(^^♪
でも秋田のお父さんお母さん、日本人なのですが、フランス語しゃべるんです!もう何言ってるか全くわからない!!だからこの記事はフランス語の通訳さんに訳してもらったり、聞き取れた情報から自分で気になったことを調べたりして書きました(^^;
な~んて嘘です!でも半分本当です!!笑
秋田のお父さんお母さん、方言がすごすぎて、ここは外国なのか!?本当に日本なのか!?と思うくらいわけがわからないんです。秋田弁恐るべし…
でも私たちの前では共通語で話してくれました!優しい(^^♪
でもところどころ聞き取れないこともしばしば…。なのでよくわからなかったところは自分で調べました(笑)←これが本当
ではここで教えてもらった秋田弁を一つ!
「またね」という意味で「へばな」です!秋田に行ったときはぜひ使ってみてください☆
秋田といえば秋田杉!杉の木がたくさんありました🌲
高度経済成長
さて本題に戻ります!高度経済成長期と現代日本の高齢化と過疎化問題。
この二つはどう関係しているのでしょうか??
高度経済成長期には次のようなことが起こりました!
- 第二次産業の発展
- 食の洋食化
- 車の普及
まだまだ他にも様々な要因がありますが、ここではこの三つにとどめたいと思います。
まず第二次産業の発展から見ていきましょう!
そもそも第二次産業とは簡単に言ってしまえば工業🏭のことです。
これまでの日本は第一次産業である農業🥬が主流でしたが、高度経済成長期に海外から新たな技術が輸入され、第二次産業の発展が起こりました!この第二次産業の発展により、工場が多く建てられ、その働き手として若い労働者が全国から工場へと出ていきました。
こうして工場地帯には人が集まり、農村では工場に人がいってしまったため人口が減り、高齢化と過疎化が起こってしまったんです!
そして、海外から入ってきたのは技術だけではなく、文化も流入してきました!欧米の食文化が入ってきたのです!ごはん🍚よりもパン🍞、和食よりも洋食になり、食の洋食化🍞が進みました!
ちなみに私はごはん派🍚です♪うーん…やっぱどっちも好き!🤤
すみません、どうでもいいことはさみましたが、パン🍞が主流になることでお米の需要が下がり、お米が余るようになってしまいました…
そこで政府は水田を減らす減反政策を行ったのです!その結果、田んぼは減少し、地方で農業をするよりも都市の工場へ出稼ぎに行く人が増えてしまいました。
さらに、第二次産業の発展により、車🚙が普及するようになり、交通の便がよくなりました!それまでは農村の中で完結していた買い物などで出かける生活範囲が、遠くに行けるようになったためどんどん拡大していきました!
その反面、農村内にあったお店はつぶれ、地方はほぼ田畑のみになり、都市部にはどんどんお店が増えていきました。こうなってしまうとやっぱり便利な都市に住みたくなりますよね!このことがさらに農村から都市部への人口の流出を招いてしまったのだそうです😢
このような要因から高齢化や過疎化が進み、里山の維持管理をする人手が足りず、里山は減少していきました。
しかし、これで終わりではありません!この高度経済成長のさらに裏にはアメリカの戦略が隠されていたのです!
アメリカと日本
高度経済成長が起こる少し前、第二次世界大戦に敗戦した日本はとても貧しく、アメリカから復興支援を受けていました。表向きだけでみると、負けた日本を助けてくれるなんて、アメリカめっちゃ優しい!神!✨って思いますが、実はその裏に、アメリカの戦略があったと言われています😲
当時のアメリカでは、戦争に備え、食料として大量の小麦を貯蓄していました。しかし、戦争に勝利したため、その小麦のほとんどが余ってしまい消費に困っていました。この状況をどうにかしようと、アメリカは貧しい日本に安い小麦を買い取ってもらうとともに、給食にパン🍞を導入するなどして日本に洋食を広めていきました。
食の洋食化を進めることで、今後もアメリカの小麦を買ってもらえるようにしたのです!頭いいですね~👀
また、GHQによる徹底した民主化政策で教育などが見直され(墨塗り教科書が有名ですね!)、日本から戦時中の色がどんどん消えていきました。
こうして、「軍隊」を持たなくなった日本は、アメリカに保護してもらうことによって自国を守るようになったのです。
その結果、日本は食べ物でも軍事力でも、アメリカを頼るようになりました。でも、得しているのは日本だけではなく、実はアメリカにとってもいいことがあります!
日本はアメリカからしてみたら、絶対に小麦を買ってくれるバイヤーでもあります。また日本が軍事力で頼っているアメリカに対し、戦争をすることはなくなります。
これが、アメリカの戦略だったのです!!
このような戦後の背景があり、日本はアメリカに依存することで、復興を成功させることができました!でも、その反動で都心部へと人が流れ、お米を食べない西洋食文化が発展していきました。
現在では高齢化や過疎化が進行し、里山は人手不足に陥り、減少してしまったのです😢
また、戦後貧しかった日本は再建のために多くの木材を必要としました。そのため、専門家の反対があったにもかかわらず、日本政府は国内の広葉樹林🌳を伐採し、その代わりに木材として使いやすい針葉樹林🌲を植林していきました😲
でも、その植林した針葉樹林が育ちきる前に、外国の木材が流入してきてしまったのです!当時の日本では戦争の影響で木材が不足していたため、国内産の木材は高騰しており、外国産の木材のほうが安かったんです。
日本の再建はこの外国産の木材のおかげで急速に進みましたが、植林した針葉樹林🌲はほとんど使われることはありませんでした…。
さらに、新たな技術が入ってきたことで、エネルギー革命がおこり、石炭や木材を燃やすことでつくっていたエネルギーが石油やガスから作り出すエネルギーに置き換わり、再建後の日本では木材が必要とされなくなってしまいました。
こうして里山の維持管理の役割も担う日本の林業は衰退していき、生物多様性の低い針葉樹林🌲だけの森が残されてしまいました😢
こんなふうに林業の衰退にもこうした社会背景がかかわっていて、里山の減少にもつながっていたのです!
まとめ
どうでしたか?里山の減少という生物多様性問題が想像以上に多くの社会問題や歴史的背景と繋がっていることを実感していただけたでしょうか?
一度軽くおさらいすると、敗戦した日本はアメリカに助けてもらうことで、高度経済成長を成し遂げることが出来ましたが、その結果都市に人が流出してしまい、過疎化・高齢化が進み、里山は人が足りず管理不足に陥り、衰退してしまったのです。
過去は今に繋がっているので当たり前のことと思うかもしれませんが、あらためて振り返ってみると敗戦後の日本の歴史と里山の減少という生物多様性問題が繋がっていたなんて、ちょっぴり驚きですね😅
私たちは物事を分野に分け、それぞれを個別のものとしてとらえてしまいがちです。そのせいでか、自分の分野ではないと”自分には関係ない”と無意識でも思ってしまいます😢
でも、つながりを意識してみると、それが近くても遠くても最終的には自分に繋がっているんだっていうことがわかります!(^^♪
自分に関係のないことなんてないんです!ただそれがちょっと身近に感じられないだけ。
だからこれからは、何事にも、他人事ではなく自分事だと思って、興味を持ってみてください!
それだけで点と点だった知識が繋がって世界が広がります!そしてなにより赤の他人同士だった人がそれぞれの強みを活かして協力し合える未来がくるのではないかなと思います😊
おまけ
今回は”つながり”をキーワードにお話をしてみました!ここではもう一つ、アメリカと日本の関係につながっている問題を軽く紹介しようと思います✨
その問題とは辺野古問題です!
軍事的な面でもアメリカに頼っている日本は、守ってもらうためにアメリカ軍基地が沖縄に多く設置されています。
そのうちの普天間基地という基地が住宅地に近く、飛行機の墜落事故やアメリカ軍と住人の間でのトラブルがあり、住民の安全のために移設することになりました!そしてその移設先というのが辺野古だったのです!
しかし、辺野古は希少なジュゴンの生息地になっていて、きれいなサンゴ礁の海もあります。
移設にはその海を埋め立てなければならないのです😭さらに埋め立てに利用する土壌が沖縄のものだけでなく、本土の土壌も利用する計画がたてられたことから、外来生物(*)が侵入し沖縄の生態系を破壊してしまう可能性がでてきました😱このほかにも、環境汚染や地元住民の方と政府の軋轢など様々な問題が生じています!
多くの人が反対する中、政府はこの計画を強行突破しようとしています。立場上保護してもらっている側の日本はアメリカに下手な迷惑はかけられないというのもあるのでしょう…。
今は埋め立て工事が中断されていますが、工事の再開は時間の問題かと思われます…。私としてはサンゴの海がなくなってしまうのはやっぱり悲しいです😭
この辺野古問題についても調べてみると様々な問題が絡んでいることがわかります。ぜひあなたも調べてみてくださいね(^^♪
この辺野古問題のように、自然豊かな沖縄では政府や地域住民、生物多様性の間で軋轢が生じてしまっている例がたくさんあります!
そこで次回は沖縄、特に西表島で生じているこのような問題についてお話ししたいと思います!
ではでは今回も長文お付き合いいただきありがとうございました!
次回は西表島にご案内するので楽しみにしていてくださいね!✨へばな~♪(^^)/~~~