6月に開催されたOEWG4(「ポスト2020生物多様性枠組」に関する第4回公開作業部会)の報告会が行われました。
内容
報告会では、OEWG4の 印象として「ジュネーブでバラバラの方向に3歩進んだので、2歩下がり、歩み寄る」、「歩み寄ったのに、再びバラバラに歩んで、結局ジュネーブの位置」といった意見もありました。理解を深められましたが、議論することが残る結果となりました。
また、この報告会には、副代表の吉川も参加させていただきました。
主に、副事務局長とユース団体との対話会、ターゲット3、ターゲット 10について説明しました。
ターゲット3は、保護・保全地域の拡充を目指すものです。30by30(陸と海の 30%以上を保全しようという目標)に関して、以下のような議題が残っています。
- 何の30%なのか(すべての地域の30%なのか、生態系的に重要な地域の30%なのか)
- 生物多様性にとって「国レベル」で重要な地域なのか、「世界的」に重要な地域なのか
- 陸と海の表現をどうするのか(例えば、海だと※oceanかseaか) など
※oceanは、「大洋」「外洋」のような広範囲の海
seaは、oceanに比べてより近く、狭い範囲の海
30%という量にのみ縛られると、質が損なわれてしまうため、質と量の両方に焦点を当てる必要があること、保護地域という点をOECM(保護地域ではないが、効果的な保全が行われている場)という線で結ぶ必要があることなどを述べました。
ターゲット10は、農業や漁業、林業などの生産の場において持続可能な管理を目指すものです。以下のような議題が残っています。
- 対象を「すべての」地域にするか否か
- 管理者、例えば小規模農家、先住民の食料システム、女性などをどこまで細かく明記するか
- バイオテクノロジーやシードバンクについて言及するか
- agro-biodiversityというキーワードで生物多様性の定義を狭めるか など
言葉1つで各国の行動も変わってきてしまうため、各国は一言一句にこだわると語りました。
質疑応答では、私たちユースにも質問があり、ユースへの期待も大きいと感じました。
詳細
〈日時〉
日付:2022年7月26日(火)
時間:15:00~17:00
〈内容〉
- 全体報告
- 現地参加者からの報告
- 質疑応答
〈主催〉
国際自然保護連合日本委員