「シマの環境問題を本気で考えたい大学生のためのスタディツアーin久米島」開催報告:Day1

2022年3月6日〜9日にかけて、生物多様性わかものネットワーク主催「シマの環境問題を本気で考えたい大学生のためのスタディツアーin久米島」が沖縄県久米島町で開催されました。スタディツアーの様子について、各日ごとに詳しく紹介します!

日程2022年3月6日(日)〜9日(水)
開催地沖縄県久米島町
主催生物多様性わかものネットワーク
参加者全国のユース7名
講師佐藤文保氏、佐藤直美氏、戸部海童氏(久米島ホタルの会)、宮本育昌氏(コーラル・ネットワーク)
ファシリテーター小林海瑠(九州大学共創学部3年)、吉川愛梨沙(東京農工大学1年)
開催目的生物多様性保全の最前線において、自然環境が抱える課題と地域および国際社会との結びつきについて学び、
それらの課題の解決策を考える機会を提供すること。

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久米島ってどんなところ?

今回のスタディツアーの舞台となった久米島は、沖縄本島から西に約100kmの場所に位置する離島です。森林や河川、鍾乳洞、マングローブ林、サンゴ礁などの亜熱帯気候ならではの生態系と美しい自然を有しており、久米島のみに分布する固有種も数多く生息しています。一方で、赤土の流出や過剰な環境の開発、密猟などの環境問題が深刻化しており、このようなヒトの活動による自然環境へのインパクトが明確に表れている地域でもあります。

我々はこのような「豊かな自然環境」と「顕在化する環境問題」のそれぞれを併せ持ち、なおかつ島嶼ならではの森林と海洋との繋がりの強さ、特殊な社会構造やコミュニティに目をつけ、久米島を今回のスタディツアーの開催地に選びました。

特に、今回は久米島で深刻化している環境問題である赤土問題にフォーカスし、その発生源である陸地から影響が強く出ているサンゴ礁までのつながり、そして課題のバックグラウンドである人間社会の現状も踏まえて一連のプロセスを学び、課題の解決策を考えるワークショップまで実施しました。(赤土問題について詳しく知りたい方はこちら)

スタディツアー初日の流れ

当日は久米島の海の玄関口である兼城港フェリーターミナルに現地集合でしたが、那覇で前泊していたメンバーはフェリーに乗る前から既に打ち解けており、プログラム開催前から盛り上がっている状態でした。

フェリーではまさかのクジラがお出迎え。久米島上陸前から期待が高まります。

昼食〜最初のレクチャー

無事に久米島に到着しました。まずは今回のプログラムの拠点となる「久米島ホタル館」(詳しくはこちら)へ移動し、プログラムの概要説明や久米島の自然環境に関するレクチャーを受けます。

お昼ごはんの時間です。初日の昼食は、植物の葉っぱや茎を活用してゴミが一切出ないように工夫されているサステナブルなお弁当でした。例えばお弁当箱の代わりになる包装として芭蕉の葉が使われています。食べ終わった後もそのまま山に捨てることができ、とっても環境に優しいお弁当でした。味もとってもおいしい!

森林散策

昼食後は、島の中央部に位置しておりラムサール条約にも登録されている「ニブチの森」を散策します。クメジマボタルやキクザトサワヘビなどの貴重な固有種を育む森林環境です。

一見するとまるで人の手が全く入っていないかのように植物がうっそうと生い茂っていますが、森の中をよく観察すると炭焼き窯や田んぼの跡があり、実はかつて人間が利用していた場所だったことがわかります。実際に、今の久米島はサトウキビ栽培が土地利用のメインとなっていますが、久”米”島と名付けられているように、かつては稲作が盛んに行われていました。このような近年の大規模な土地利用の変化がさまざまな問題を引き起こしていることも学習できました。

夕食

夕食は、みんなでピザを焼いて食べました。実は久米島ホタル館には川から汲み出した赤土を使って作ったピザ窯があります。

ナイトツアー

夕食後には、一人一つ手にライトを持って、夜の森林観察に出発です。リュウキュウコノハズクの鳴き声や満点の星空のもと、夜の久米島の森を散策します。川を覗いてみると、体長2m近いオオウナギを見ることもできました。

これで1日目は終了です。2日目以降が気になる方はこちら

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